2024年1月29日より、ドコモの新しい非接触決済サービス「d払いタッチ」がスタートしました。
ドコモでは従来より「d払い(iD)」やQRコード決済の「d払い」を提供していますが、同じd払いという名称を使っているため、違いがよく分からないというのも当然です。
この記事でわかること
- d払いタッチのサービス概要
- d払い(iD)やd払いとの違い
- d払いタッチを使うメリット
- d払いタッチの設定方法や支払方法の変更手順
- d払いタッチのよくある質問
本記事では「d払いタッチ」のメリットや、d払い(iD)、QRコード決済のd払いとの違い、ポイント還元率など解説していきます。
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d払いタッチとは?
d払タッチとはコンビニ、スーパー、カフェなど、スマホをかざすだけで簡単に支払いができるタッチ決済です。
iDマークがついている全国の「iD加盟店」で決済ができます。
d払いタッチの概要
d払いタッチの概要 | |
利用者 | ドコモユーザー/他社ユーザー |
対応OS | Android/iOS(予定) |
支払方法 | 電話料金合算払い(最大10万円まで) d払い残高/dカード |
決済時のポイント利用 | 可 ※d払いアプリでポイント利用をONにしておく必要あり |
ポイント還元率 | 0.5%(200円につき1ポイント) dカード支払いで+0.5% |
利用場所 | iD加盟店 |
アプリ立ち上げ | 不要 |
d払いタッチと聞くと、「d払い」のようにQRコードを提示して決済するものと勘違いしますが違います。d払いとありますが、決済方式は「iD」同様タッチ決済になります。
クレジットカードであるdカードを利用したiDとは違い、以前は「dカード mini」など様々な名称で呼ばれていましたが、2019年にd払いに統合され出来たのが「d払い(iD)」です。よく似たサービスですが、ドコモ契約者、かつ電話料金合算払いしかできませんでした。
対応機種はAndroidスマホ
d払いタッチの対応機種は、現時点でAndroidスマホのみ。かつおサイフケータイ(Felica)対応スマホであれば使えます。
Androidスマホにプリインストールされている「Google Wallet」のアプリにd払いタッチを設定することで利用できます(設定方法は後述しています)。
従来のd払い(iD)は今後順次終了
ドコモではd払い(iD)というおサイフケータイ機能を使った決済サービスを提供してきました。現在は新規受付を停止し、2024年4月以降に順次終了していきます。
それまでに更新した人は、1年間の有効期限(次の更新)まで使うことができます。
d払いタッチとd払い(iD)・d払いの比較
現在、スマホで決済できるd払いタッチ、d払い(iD)、d払いを比較してみましょう。
d払い(iD) | d払いタッチ | d払い | |
利用者 | ドコモのみ | 誰でも使える | |
対応OS | Android | Android/iOS(予定) | Android/iOS |
支払方法 | 電話料金合算(最大3万) | 電話料金合算(最大10万) d払い残高 dカード |
電話料金合算(最大10万) d払い残高 dカード 他社クレカ |
決済時のポイント利用 | 不可 | 可 | |
ポイント還元率 | 0.5% | 0.5% dカード支払いで+0.5% |
|
利用場所 | iD加盟店 | iD加盟店 | d払い加盟店 |
アプリ | iDアプリ | Googleウォレット | d払いアプリ |
アプリの立ち上げ | 不要 | 要 |
表をご覧いただくと、d払いタッチとd払いの利便性やポイント還元率は同等と言えます。裏を返せば、d払い(iD)を使い続ける理由がありません。
決済時のスピードでは、d払い(iD)とd払いタッチはアプリを立ち上げる必要がないので、総合的にd払いタッチが優位になります。
iOSは早々に対応予定?
d払いタッチは現時点でAndroid端末のみ対応しています。ということは上記3つの決済方法の中で「d払い」のみiOSに対応しています。
しかし、日本人のiOS比率は約7割を占めているため、d払いタッチを始めたところでユーザー数が少ないのは本末転倒。よって、早々に対応する可能性が高いと思います。
他社ユーザーも使える仕様に
現行のd払い(iD)では、ドコモ回線を契約している人限定のサービスでしたが、d払いタッチは誰でも(Androidのみ)使うことができます。
他社回線を利用しており、d払いを使っている人も少なからず存在するため、そのユーザーでも「iD決済」が使用可能ということになります。
他社ユーザーは「電話料金合算払い」の支払方法は選択できませんが、d払い残高やdポイントの利用はできるため、決済方法の幅が広がったことになります。
電話料金合算払いの限度額が最大10万円
d払いタッチの支払方法を電話料金合算払いにすると、最大10万円まで決済することができます。
d払い(iD)では最大3万円までしか決済できなかったため、すぐに限度額を超えてしまっていました。それが最大10万円まで上がったことで、決済できる場面がグッと広がります。
しかし、最大10万円まで利用できるのは20歳以上の場合のみとなります。
年齢 | 利用限度額 |
20歳未満 | 最大1万円/月 |
20歳以上 | 最大10万円/月 |
d払い残高が利用可能
d払いタッチをのサービスはあくまで「d払い」を主軸としているため、d払い残高から決済することができます。
d払い残高はあらかじめチャージした金額分が使える決済方式で、銀行口座やセブン銀行ATMでチャージができます。
ポイント還元率は最大1.0%
d払いタッチの決済額をdカードから引き落としにしておくと、d払いタッチ決済で0.5%、dカード支払いで0.5%の合計1.0%がたまります。
d払い(iD)は0.5%還元だったため、dカードを持っている人はd払いタッチを利用する方がお得になります。しかし・・dカード契約者はd払いタッチを利用するメリットが少ないのです。
dカード契約者はd払いタッチに移行するメリットは少ない
dカード、およびdカード GOLDを契約している人は、iDアプリからiDの設定・利用ができます。またdポイント還元率も1%なので、d払いタッチと同じ・・と思いきや大きな罠が潜んでいます。
d払いタッチ | dカード ID | |
還元率 | 0.5% dカード支払いで+0.5% 合計:1.0% |
1.0% |
最低決済額 | 200円につき2ポイント | 100円につき1ポイント |
このように、dカードでのiD決済では、100円につき1ポイントたまる仕様に対して、d払いタッチは200円につき2ポイント。つまり、100円ではポイントは還元されず、300円でも差額の100円分は切り捨てられます。
dカードのiD決済を登録している人が、d払いタッチを登録するメリットとして「dポイントが利用できる」「d払い残高から支払える」という点が挙げられます。
しかし、普段からdカードで引き落とししている場合は、d払いタッチを登録するメリットがあまり感じられません。
d払いタッチの5つのメリット
d払いタッチを使うメリットは以下の通り。
- 決済の速さと簡単さ
- セキュリティの高さ
- dポイントが使える
- d払いが使えないお店でも使える
- 電波状況に左右されない
ひとつずつ見ていきましょう。
メリット①決済の速さと簡単さ
アプリの立ち上げは必要なく、支払い時にレジで「iDで」と伝える(もしくは選ぶ)だけで、スマホをリーダーにかざせば決済ができます。すると「タントン♪」と決済音が鳴れば終わりです。
d払いより楽ですし、現金で支払うよりはるかにスピーディーなので、レジ前でモタモタすることもなくなるでしょう。
メリット②セキュリティの高さ
タッチ決済は元々、セキュリティが高い決済方式です。
例えばクレジットカード決済の場合、磁気カードであれば機械にカードを通して決済します。その際、スキミング(クレジットカード情報を盗み取る行為)などの犯罪により、個人情報が第三者に漏れる可能性があります(現在ではICチップ搭載のカードが義務付けられている)。
しかし、タッチ決済の場合は情報が暗号化されるため簡単には盗めないようになっています。また、レジの店員にカードを渡したり、暗証番号を入力する必要がないため、第三者に盗まれるリスクを軽減できます。
メリット③dポイントが使える
d払いタッチを使うと、従来通り買い物のたびにdポイントがたまるだけでなく、たまったポイントを使って支払いができます。
d払い(iD)ではdポイントをためることしかできなかった分、たまる・使えるがひとつの決済方式でできるのは嬉しいメリット。
しかし、dポイントを使うにはd払いアプリ側でdポイントの利用を あらかじめON にしておく必要があります。
d払いタッチは基本的にd払いアプリの設定に準じているので、dポイント利用をONにすると決済時に自動でポイントが引かれます。もし決済額がポイントを上回っていても、差額が引き落としされるようになっているので安心です。
また支払方法をd払い残高にしており、残高不足になった場合は決済不可の音が鳴るようになっています。
メリット④d払いが使えないお店でも使える
d払い加盟店は全国に約500万箇所あり、1,000万箇所あるPayPayと比べると約半分になります。たまにPayPayはいけるけどd払いは対象外と言うお店も見かけるので、ドコモユーザーからしてみるとPayPayに対して劣等感を覚えます。
d払いタッチを設定しておくと「d払いは対象外だけどiD加盟店」というお店なら使えます。もちろん、「PayPay対象外だけどiD決済ならOK」というお店も存在するため、d払いとd払いタッチの二刀流がおすすめです。
メリット⑤電波状況に左右されない
外出先や建物の中でスマホの電波が弱いときや、通信制限がかかっていると、d払いのアプリを開くまでに時間がかかります。
そんなとき、d払いタッチは電波状況に左右されないためスムーズに決済できます。これは、スマホとリーダー端末の直接的な通信によって行われるため、外の電波がどうであれ決済が可能です。
d払いタッチの設定方法
ここからはd払いタッチの設定方法について解説していきます。
手順1.d払いタッチはd払いアプリから設定する
まずはd払いアプリを開きログインしましょう。
機能の中からd払いタッチを探します。無い場合は「・・・の一覧へ」を押せばあります。
手順2.d払いタッチ設定へ画面遷移する
1.d払いタッチ設定の画面を下にスクロールします
2.設定をはじめるをタップ
3.利用規約を読み同意して次へをタップ
4.さらに利用規約に同意するにチェックを入れGooglePayに追加をタップ
手順3.Google Payにd払いタッチを追加する
5.ウォレットに追加をタップ
6.続行をタップ
7.はいをタップ
8.次へをタップ
手順4.Googleウォレット内にバーチャルカードが発行される
9.バーチャルカードが発行されたら左上の×印をタップ
10.メインカードに設定をタップ(メインカードにしたくなければキャンセルをタップ)
11.Google Payへの設定完了
手順5.バーチャルカードのロックを解除しておく
1.d払いアプリを開き、右下の「アカウント」をタップ
2.バーチャルカードをタップ
3.カードロック設定をOFFにする
これで即日利用できます。
おまけ.d払い(タッチ)の支払方法変更手順
1.d払いアプリを開き、右下の「アカウント」をタップ
2.お支払い方法をタップ
3.好きな支払方法を選択して設定するをタップ
d払いとd払いタッチは連動しており、d払いアプリ側で設定を変えると自動的にd払いタッチの設定も変わります。
ここでd払いタッチ決済時に、d払い残高で支払うのか、dカードから支払うのか、あるいは電話料金合算払いにするのかを決められます。
決済時に「d払いタッチ」と言っても伝わらない。「iDで」と言うこと
d払いタッチという名称ですが決済方式は「iD」なので、レジの店員さんには「iD」と告げましょう。
「d払いで」と言うとバーコードスキャナを出してこられるでしょう。また「d払いタッチで」と言ってもたぶん怪訝な顔されるか、これもスキャナ出してきます。まだ世間一般に認知度が低いと思うので「えっ?d払い?タッチ?どっち?」ってなります(店員さんは何も悪くない)。
d払いタッチのよくある質問
d払いタッチについてよくある質問をまとめました。コメントいただければ掲載する場合もあります。
Q.dカード以外のクレジットカードでも支払える?
A.
d払いタッチはdカード以外のクレジットカードは対応していません。他社のクレジットカードを利用したい場合は、d払いであれば登録ができます(その場合、d払いタッチは利用できない旨の画面が現れます)。
Q.d払いタッチは圏外でも使える?
A.
d払いタッチはスマホとリーダー間で譲歩のやり取りをするため、電波は必要ありません。よって、圏外や機内モードでも利用できます(実証済み)。
Q.d払いタッチはスマホの電源が入ってなくても使える?
A.
d払いタッチはスマホの画面ロックを外した状態(待ち受け画面)でないと利用できないため、電源をつけておく必要があります。dカードなどiDアプリで設定したiD決済なら電源が入ってなくても利用できますが、恐らくこれはGoogleウォレットの仕様ではないかと考えられます。
Q.d払いタッチで決済した明細はどこで見られる?
A.
d払いアプリの利用明細(手順)から確認できます。
Q.ahamoやirumoでもd払いタッチは使える?
A.
利用端末がAndroid(Ver.5.0以上)、かつおサイフケータイアプリ(Ver.6.1.5以上)であれば、ドコモユーザー、他社ユーザー誰でも利用できます。
Q.dカードのiDとd払いタッチ両方を登録している場合、どちらが優先される?
A.
Googleウォレットでd払いタッチをメインカードに設定している場合は、d払いタッチが優先されます。
Q.d払いタッチを設定した端末を紛失してしまった
A.
第三者による不正利用を防止するため、こちらのページからd払いの利用を停止してください。
◆My docomoから以下の3つを拒否設定する おすすめ
・電話料金合算払い
・d払い残高からのお支払い拒否
・クレジットカード/dカード払い拒否
(いずれも、<My docomo>→<お手続き>→<契約・料金>→<d払い>→上記の3つを拒否する)
◆d払いお問合せダイヤル
・ドコモの携帯電話から→#9785(無料)
・一般電話などから→0120-613-360
受付時間:24時間・年中無休
◆ドコモショップで手続きする
ドコモショップの来店予約はこちら
Q.d払いタッチが使えなかった、何が考えられる?
A.
① NFCがOFFになっている
NFCの設定方法:<設定>→<接続設定>→<接続の詳細設定>→<NFC>→<ON>
② d払い残高が足りない
d払いアプリの支払設定からd払い残高を確認してください
③ 電話料金合算払いの上限額に達している
d払いタッチで支払方法を電話料金合算払いにしている場合、利用限度額は最大10万円/月となります。
④ Googleウォレット側でメインカード設定になっていない
GoogleウォレットアプリからiDのメインカードになっているか確認してください
⑤ iD対応なのに利用できない場合がある
筆者実体験だが、コカ・コーラの自動販売機ではなぜか受け付けてくれない・・原因は謎
まとめ
今回はd払いタッチのメリット、d払い(iD)や従来のd払いとの違い、そして設定方法について解説しました。
おさらいとしてd払いタッチのメリットをもう一度見ておきましょう。
- 決済の速さと簡単さ
- セキュリティの高さ
- dポイントが使える
- d払いが使えないお店でも使える
- 電波状況に左右されない
d払いタッチは、dポイントが利用できスマホをかざすだけで決済ができるのが魅力です。さらに電波状況に左右されず、通信制限が掛かっていても、圏外であろうと決済が可能。
今までd払いを普段から使ってる人は、かなり便利になると思います。