dカード GOLDは2023年6月に会員数1000万人突破を発表したドコモユーザーから人気の高いクレジットカードですが、同年12月よりdポイント還元率に変更点があります。
今回は、還元率変更に伴いそのままdカード GOLDを持ち続けるべきか、dカードにダウングレードするべきかを解説していきます。
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dカード GOLDポイント還元率の変更点
ではまずは変更点から。〇は良くなる点、✖は悪くなる点です。
- 【○】年間利用額特典の決済対象の変更
- 【✖】年間利用額特典の内容変更
- 【✖】プランに応じたdポイント付与条件の変更
良くなる点:年間利用額特典の決済対象の変更
まず年間利用額特典とは、dカード GOLD(d払いやiD含む)で決済した年間の累計金額が、100万円以上で11,000円相当、200万円以上で22,000円相当のクーポンがもらえる特典です。累計金額になる対象は、決済したものすべてではなく、あらかじめ対象になる項目が決められています。
この累計金額対象になる項目において、「モバイルSuica」「モバイルPASMO」「モバイルICOCA」へのチャージが追加されました。
例えば、累計100万円まであと少し!というときに、いずれかの交通系ICにチャージしてしまえば達成できるということです。達成を目的に、無駄な買い物をしなくて済みます。
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悪くなる点:年間利用額特典の内容変更
悪くなる点の一つ目は、同じく年間利用額特典についてですが、もらえるクーポンが減額しています。
現行 | リニューアル後 | |
対象年度 | 2024年配布特典 2023年12月15日まで |
2025年配布特典 2023年12月16日から |
特典内容 | 年間買物累計額100万円で 11,000円相当のクーポン |
年間買物累計額100万円で 10,000円相当のクーポン |
年間買物累計額200万円で 22,000円相当のクーポン |
2022年12月16日~2023年12月15日までの年間利用額では、既述の通り累計額相応のクーポンがもらえていました。しかし、12月16日~2024年12月15日の配布クーポンでは、年間100万円で10,000円(1,000円減額)になり、年間200万円ではそもそも特典が無くなりました。
悪くなる点:プランに応じたdポイント付与条件の変更
dカード GOLDはドコモの携帯料金やドコモ光の利用料金に対して10%のdポイント還元が入るのが人気の理由でした。しかし、dカード GOLDからの引き落としに利用しないと、プランに応じて還元率が変わります。
irumo、ahamo以外のすべてのプランの場合
種類 | ドコモ携帯・ドコモ光引き落とし利用 | 2023年12月利用分 (2024年1月請求分) |
2024年1月利用分 (2024年2月請求分) |
dカード GOLD | dカード GOLDから | 10% | 10% |
他のクレカから | 1% | ||
dカード | dカードから | 1% | 1% |
他のクレカから |
irumo、ahamo以外のすべてのプランを契約していて、dカード GOLDからの引き落としに使っていない場合、2024年1月利用分から還元率が1%に下がってしまいます。
irumoの場合
irumoはdカード GOLDの改定が影響しているわけではなく、元々は期間限定でdポイント進呈率増額特典があり、その終了時期が2023年12月31日なだけですが、還元率が悪くなることには違いないため一緒に解説しておきます。
種類 | ドコモ携帯・ドコモ光引き落とし利用 | 2023年12月利用分 (2024年1月請求分) |
2024年1月利用分 (2024年2月請求分) |
dカード GOLD | dカード GOLDから | 1% | 1% |
他のクレカから | 0.5% | ||
dカード | dカードから | 0.5% | 0.5% |
他のクレカから |
irumoは格安プランと言うこともあり、還元率がそもそもよくありません。それに加え、他のクレジットカードからの引き落としにしていると、0.5%という悲惨な状態になります。
ahamoの場合
ahamoの場合も特に影響しているわけではありませんが、元々ahamoはdカード GOLDと月間100GB使える「大盛りオプション」に加入していると、キャンペーンで上限500ポイントもらえます。このキャンペーンは期間限定で2024年3月31日に終了します。
ドコモでんきを契約している場合
最後にドコモでんきを契約している場合の変更点は以下の通りです。
ドコモでんき | ドコモ携帯・ドコモ光引き落とし利用 | 2024年1月検針分 (2024年3月請求分) |
2024年2月検針分 (2024年4月請求分) |
Green | dカード GOLDから | 6% | 6% |
他のクレカから | 3% | ||
Basic | dカードから | 1% | 1% |
他のクレカから |
ドコモでんきにおいても、ドコモでんきGreenのみ他のクレジットカードから引き落とししていると還元率が下がります。
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dカードにダウングレードした方がよい人
ここまでを踏まえて、年会費無料のdカードにダウングレードした方がよい人は以下の通りです。
- 年間100万円使わない
- irumo、ahamoを契約している
- 他社の光回線を契約している
年間100万円使わない
年間利用額が100万円到達しないひとは、年間利用額特典クーポンがもらえません。
dカード GOLDは年会費11,000円のクレジットカードのため、携帯料金やドコモ光の10%還元だけで年会費の元を取るのは難しく、年会費で損してしまうことがあるかもしれません。
irumo、ahamoを契約している
irumoはdカード GOLDの還元率が低く、あまり恩恵を受けられません。さらに、irumoでドコモ光をペア回線にしている場合、ドコモ光の利用料金はirumoと同じ還元率になってしまいます。
またahamoの場合、大盛りオプションに加入していれば期間限定(2024年3月31日まで)で上限500ポイントもらえますが、オプション加入していない場合はポイント還元すらありません。メリットがあるとすれば月間のデータ量増量特典で、dカード GOLDなら+5GB、dカードなら+1GB増量するところでしょう。
しかし、あまりにも恩恵が少ないため、dカードにダウングレードするか、他のクレジットカードを利用する方がお得かもしれません。
他社の光回線を契約している
ahamo光を含む他社の光回線を契約している場合、年会費の元を取るのは難しいでしょう。そのため、光回線とセット割が適用されるスマホキャリアに変更する方がお得になる可能性が高いです。
それでもdカードは持ち続けるべき
いっそのこと他社クレジットをメインカードにしようか悩むところですが、dカードは持ち続けることをおすすめします。なぜなら、ahamo以外の基本的なプランなら、dカードお支払割によって月額187円の割引が適用されるから。
187円と言えど還元率1%で考えると18,700円相当なので、他社のクレジットカードに乗り換えるよりもお得です。dカードは年会費無料のカードなので、ダウングレードは検討すべきですが、解約となればあまりおすすめしません。
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ダウングレードのタイミング
もしdカード GOLDからdカードへダウングレードする場合、タイミングによっては損をしてしまいます。具体的に言うと、年会費を支払った直後にダウングレードするとdカード GOLDの特典は何も受けられなくなります。
ここからはダウングレードのタイミングについて詳しく解説していきます。
年会費が掛かるタイミングは発行日によって違う
dカード GOLDの年会費は決まった日にちではなく、dカード GOLDの発行日によって違います。「何日に発行したか」で年会費の引き落とし日が違うため、まずは考え方を説明すると、
- 毎月1日~15日までに発行→翌月10日
- 毎月16日~月末までに発行→翌々月10日
以上のように、月の半分で引き落とし日が1ヵ月変わります。
例えば、8月にdカード GOLDを発行していた場合はこのようになります。
発行日 | 締日 | 年会費引き落とし日 |
8月15日までに発行 | 8月15日 | 9月10日 |
8月16日以降に発行 | 9月15日 | 10月10日 |
ダウングレードは2~3週間かかる場合がある
年会費が掛かるタイミングが分かったところで、次はダウングレードに要する日数です。dカードセンターに確認すると、場合によっては2~3週間ほどかかる場合があるとのこと。
よって、既述した締日までにダウングレードの手続きをしたとしても年会費が掛かる場合があるため、余裕をもって手続きをしてください。
カード発行日の確認方法
dカードの発行日はdカードサイトで確認できます。
dカードサイト > ご利用状況照会 > ご利用明細照会 > ログイン >
dカードアプリからの場合
dカードアプリ > dカードサイト > 会員ページ > ご利用明細照会
dカードを契約し続けるメリット
dカード GOLDの改悪ポイントは既述した通りですが、ダウングレードしてまで使い続けるメリットはあるのでしょうか。
ここからは、以下の解説で該当するなら使い続けた方がよい人、該当しないなら別のカードを検討してみるのも良いでしょう。
ahamo以外を契約している
ahamo以外、すなわちeximo、irumo(0.5GB以外)、ギガプランなどのドコモプランをdカードで支払うことで、「みんなドコモ割」が適用されるため、毎月187円割引されます。
187円と聞くと少額に思えますが、仮に他社のクレジットカードから引き落としをし、1%のポイント還元で考えると18,700円分利用しないと到達しません。dカードは年会費無料のカードなので持ち続ける上でデメリットがありません。
逆にahamoを契約している場合、dカードから引き落としをしてもdポイント還元がない代わりにデータ量が毎月1GB増量されます。この1GB増量の重要性は人によって変わりますが、ほとんどの人が他社のクレジットカードから引き落としをする方がお得と言えるでしょう。
普段からd払いを利用している
買い物時にd払いを利用しており、かつ支払先をdカードから引き落としをしている場合、決済額に対して合計1%の還元が付きます。
dカード | 電話料金合算 | 他クレジットカード | |
d払い | 0.5%還元 | 0.5%還元 | - |
dカード支払い | 0.5%還元 | - | - |
合計 | 1.0%還元 | 0.5%還元 | - |
例)1,000円の買い物なら | 10ポイント | 5ポイント | - |
d払いは通常0.5%還元(税込200円につき1ポイント)に加え、dカードから支払うと+0.5%還元になり合計1%還元になります。電話料金合算払いは、通常の0.5%しか還元が入らず、他社のクレジットカードはそもそもポイント還元の対象外となります。
普段からd払いでの決済やdポイントを利用している人は、dカードを継続する方がいいでしょう。
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【考察】GOLDの改悪はdカードプラチナの布石か
2023年10月30日に、ドコモは「dカードプラチナ」という名称で商標出願していたことが判明しました。今のところ名称しか明かされていませんが、dカード GOLDの上をいくカードで間違いないでしょう。
dカードプラチナは、今回の還元率改悪に向けた布石ではないか考察していきます。
2024年秋ごろに新サービスを発表と明言している
年間のお買物累計額が100万円を超えるご利用をいただいたお客さまに向けたdカードの新しいサービスについて2024年秋ごろに発表予定
引用:公式ページ「dカード GOLD年間ご利用額特典に関するリニューアルのお知らせ」より
引用内容通り、年間100万円を超えた場合、2024年秋ごろに新サービスを発表すると明言しています。
つまり、200万円以上の特典はdカードプラチナにたすきを繋ぐ可能性が高いと言えます。
dカード GOLDの審査がゆるくなっている?
これはドコモが発表したdカード GOLDの「全世代のゴールドカード保有・利用に関する調査」です。円グラフはdカード GOLDを契約者の個人年収を表したもの。内訳は以下の通り。
- 200万円未満:39.6%
- 400万円未満:23.2%
- 600万円未満:17.2%
- 800万円未満:9.5%
- 1000万円未満:5.1%
- 1200万円未満:2%
- 1500万円未満:1.3%
- 2000万円未満:0.6%
- 3000万円未満:0.7%
- 3000万円以上:0.7%
dカード GOLDをジャスト1,000万人と仮定して、その内の約400万人が年収200万円未満、全体の6割が年収400万円未満がメインボリュームであることから、dカード GOLDの審査自体が緩くなっている可能性があります。一時は、dカード GOLDの審査は厳しい(年収が関係していたかは不明)時代もありましたが、大衆化のカードになっていると考えられます。
クレジットカード会社として年会費の売上はバカにならず、1000万会員から年10,000円回収できれば1000億円にもなります。キャッシュレスの時代であるからこそ、審査の閾値を落とすのは納得できます。
余談ですが、dカード GOLDを持ったきっかけの第一位は「ポイントやマイルが貯まりやすいから」、次いで「年会費に見合う特典が魅力的だから」とあります。
このあたりの層は、今回の改悪を受けてどう感じるかは分かりませんが、ダウングレードする人はあまりいないような気がします。
年会費の回収は売り上げに直結している
クレジット会社が儲かる仕組みとして、主に3つ挙げられます。
- 加盟店からの手数料
- リボ払い・キャッシング等の手数料
- 年会費
この中の年会費は、契約者数である程度の売上見込みが立てられます。見込みが立てられれば、dポイント還元キャンペーンを多く打ち出せるため、より利用者が増え、さらに利用者が増えることで加盟店からの手数料も増えます。
このように、年会費の回収はクレジット会社の根幹となっています。
年収600万円以上の層のアップグレードを狙っている
先ほどと同じ画像ですが、600万円以上のゴールド契約者が約4割(ここでは約400万人と仮定)なので、当然この層をプラチナカードにアップグレードを狙うでしょう。
プラチナカードの年会費の相場は、大体2~3万円。仮にdカードプラチナの年会費が3万円だった場合、ゴールドと合わせて売り上げは1800億円にもなります。
プラチナカードの契約者を増やすにはもちろん還元率やそのほかの特典にもよりますが、今回の改悪であえて特典を落としておいて、プラチナカードに特典を集結させ、アップグレードを狙うのが目に見えています。
まとめ
dカード GOLDのdポイント還元率改悪ポイントについて解説しました。
このまま所持しておくのもひとつですが、お得にならなさそうであればdカードにダウングレードする方がいいでしょう。もちろん、年会費が発生する前であれば、ですが。
dカードプラチナが納得のいく還元や特典で、Win-Winであればと願うばかりです。
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